恋の定義──そして今日も、君を想う──
いつもとは違う名残惜しさに、ユウの胸はキュッとしめつけられた。

お互いに見つめ合い、短い沈黙が流れる。

ユウは、レナの手の温もりの残るその大きな手で、いつものように、レナの頭をポンポンと、優しく撫でた。

「おやすみ。」

「…おやすみ。」

そして二人は、それぞれの玄関のドアを開け、小さく手を振ってから、ドアを静かに閉める。


お互いの手に相手の手の温もりを残しながら、初めてのデートらしき1日が終わった。

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