恋の定義──そして今日も、君を想う──
シンヤの言葉にユウがうろたえていると、シンヤはユウの肩をバン!と叩いた。

「好きなら、好きって言えばいいじゃん。」

「…そんなに簡単じゃないよ…。」

少し、苦しげに呟くユウ。

「今の関係でこのままいられるなんて思ってないし、このままでいいとも思ってないけど…。」

「ふぅん、そっか…。」

シンヤはユウの言葉を、真剣な顔で聞いていた。




(素直になればいいのに…。レナちゃんだってきっと、同じくらいユウを大事に想ってると思うんだけどな…。)


他の者にはわからない二人だけの絆と共に、つつくと壊れてしまいそうな絶妙のバランスが、今の二人の関係を保っているのだとシンヤは思った。



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