【実話】終わらないトンネル



しかし先生が向かい入れる
先生が引き寄せ、母が離れてゆく


あまりよくは覚えていないが
とにかく話さない笑わない
泣くぐずる帰りたいといった
非模範的な保育園児だった


最初から最後まで、
居心地は悪く思えた


家ではアイドル並みに
自分に酔いしれ家族にお喋りが止まらず
何だって1番にチャレンジして
家族を驚かせて楽しんでいたのに


保育園じゃ上手にコミュニケーションが─。





毎日、祖母や母に見送られ保育園まで行く
門の前で駄々をこねて泣き出す

それがほぼほぼ─


私は負けず嫌いな性格だからか
意地を張って大泣きすることは
ぐっと堪えていたが
ポロポロずっと泣いていた

何が嫌とはないが
じんわり保育園が嫌だった

「たのしくないな」
そんな言葉が私の心の水たまりに
うわっと浮かんで消えた

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