【続】裏アリ男子にご注意ください!
「へー、そういえば西野圭吾っていえば母さんが前に好きだったなぁ」
「そうなんだ!」
安田のお母さんも西野圭吾が好きなんだ、なんて思っていると。
「……あ」
後方をチラッとみた安田が、なにかに気づいたように声をもらした。
なんだろうと思ってその視線をたどると、そこには先生に頼まれたのか重たそうな荷物をもつ、クラスメイトの大西さんがいた。
「美奈ちゃんごめんね、ちょっと手伝ってくる」
安田はそう言い残して、大西さんのところに行って荷物を受けとった。
安田ってホント、王子様みたいだなぁ……なんてぼんやり思う。
大西さん、日直みたいだ。そうそう、うちの担任って人づかいあらいんだよね……。