僕と三課と冷徹な天使

好き

男同士のむなしい飲み会を終えて
僕は電車の中で
コオさんを思っていた。

坂崎さんと何を話したんだろう。

会社では坂崎さんにそっけないけど、
会社の外ではどんな顔をするんだろう。

元彼女の顔。

想像もつかない。

・・・でもなんか、いいや。

僕の知らないコオさんはいる。

全部を知ることはできない。

それはちょっとさみしいことだけど、
だからコオさんのことを
もっと知りたいと思う。

もっと近づきたい。

僕の知らないコオさんも含めて
僕はコオさんの全部が好きだなあ、と思う。

『好き』という言葉の登場に
自分でびっくりする。

でも、そうだ。

僕はコオさんが好きだ。

一年前のコオさんも
その前のコオさんも
きっと一生懸命生きてた。

どのコオさんも大好きだなあ。

芯が強くてかわいかったコオさん、
ぼろぼろになっちゃったコオさん、
復活してさらに強くなったコオさん、

みんな知らないコオさんだけど
みんな愛おしい。

コオさんの全部が大好き。

会いたくなってきた。

はやく今のコオさんに会いたい。

明日も笑顔のコオさんに
会えるといいなと思う。
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