僕と三課と冷徹な天使

いける

部長との打合せは僕がします、
と豪語して、
早速次の日に
その機会はやってきた。

コオさんは行動が早すぎる。

「今日は今後の三課の仕事について
 話すと思う。
 進捗報告は昨日やったから
 聞かないと思うけど、
 今後について話す上で
 理解はしておいたほうがいい。」

昨日の資料とともに
部長との打合せを僕に引継ぐコオさん。

やっぱり不安になってきた・・・

「あのう、いきなり一人で打合せするのは
 厳しいんで、引継ぎがてらコオさんも
 出てもらえませんか?」

おそるおそる言ってみる。

「そう?大丈夫だよ。いつも私と灰田が
 よっしーの仕事どうしようとか
 言っているのと同じような会話だし。」

僕の要望を
聞いてくれる気配が全然無い。

「まあ、無理だったら呼んでいいから
 ちょっと行ってみなって」

何故か笑いながら言うコオさん。

なんで楽しそうなんだろう・・・

「・・・はい」

これ以上言っても無駄な気がするので
仕方なく行くことにする。

気が重い・・・

でも僕が言い出したことだからなあ。

やってみて失敗すれば
コオさんもあきらめてくれるかな。

あのノリだとどんな手を使ってでも
引き継ぎそうな気がする・・・

・・・とりあえず頑張ってみるしかないか。

そんなことを考えていると
総務部に着く。

「失礼します」

と言って、僕は部長のところへ行く。

「打合せ、お願いします」

と部長に頭を下げる僕。

「おう、お疲れ。
 丁寧でこそばゆいな」

と部長は笑って言う。

そうなんだ。

コオさんはどんな風に言うんだろう。

まあそれを引継いでも
同じように言える気はしない。

部長についていき、小会議室へ着く。

「さて、どうしようか、三課は」

部長の
ざっくばらんな質問で打合せが始まった。

どうしようかって言われても・・・

困惑して固まりそうになったが、
とりあえず
引き継ぎのときにコオさんに
一緒に考えてもらった内容を話す。

みんなの進捗と性格を考えて、
控えている仕事と
照らし合わせた今後の予定だ。

確かにいつもコオさんと僕が
話しているようなことだった。

「ほう。いいじゃん」

部長は相槌をうつ。

「じゃあ、あとは納期だな。
 これとこれはここらへんまでに
 絶対やってほしい・・・」

部長が話を進める。

何とか僕の説明でも
打合せが成り立ったようで、安心する。

何とか話をまとめて三課に戻る僕。

ちょっと自信がついて
いい男になった気がする。

「おかえりー」

コオさんが声をかけてくれる。

「ただいま」

この言葉をコオさんに言うのは
まだ照れる。

「どうだった?」

コオさんが聞く。

「はい。何とかなったと思います」

笑って言う僕。

満足そうにコオさんは笑って

「お祝いにお寿司でも食べに行こうか。
 まわるやつ」

と言った。

「はい!」

一足先に心の中で
祝杯をあげてしまう僕だった。
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