僕と三課と冷徹な天使

週末

約束の週末がやってきた。

慣れたはずのコオさん家への道のり。

こんなに緊張したことはない。

帰りたくなる。

そんなことをしたら
二度と会ってくれないだろうな。

・・・予習はした。

シュミレーションもばっちり。

でも、でもなあ・・・

早く終わってしまいそうなんだよなあ・・・

コオさん、色んな経験してそうだから・・・

俺なんかで満足させられるのかな・・・

終わった後
『やっぱり、つきあうのやめるわ』
さくっと言われたりして・・・

いや、コオさんはそんな人じゃない・・・!

あんなに何度もキスしてくれたじゃないか。

お酒の勢いじゃないんだぞ。

僕の経験値が無いっていうのは
コオさんもよくわかっているはずだ。

それを承知でつきあってくれているに違いない。

コオさんを疑うなんて、ひどすぎるぞ・・・!

僕の中の僕に怒られる。

で、でも・・・

葛藤を繰り返す僕。

途中、何度も立ち止まり
電信柱に頭を打ち付けたりして
やっとコオさんの家に着く。

コオさんはドアを開けて
僕を部屋に入れると、
いきなり抱きついてきた。

ま、まさか、最初から・・・?

動揺する僕。

「・・・コオさん、ちょ、
 ちょっと荷物を置かせてください・・・」

とりあえず、持ってきたおかずを
冷蔵庫に入れたい・・・

「もうちょっと。
 だって全然一緒に帰れなかったじゃん」

さらにきつく抱きしめられる僕。

幸せ・・・だけど、このあと
どうしたらいいのかわからない・・・

僕は混乱しながらも
何とかコオさんをなだめて、
荷物を置くことに成功した。

さ、さて、どうしよう・・・

自分を落ち着かせるため
部屋を見渡すと、
ちょっと汚部屋に戻ってきた気がする。

コオさん怒るかな・・・

でも言ってみよう。

「まず掃除しましょうか・・・」

「えー・・・
 でも灰田ならそう言うと思ったよ」

拗ねた顔で言うコオさん。

でも意外とすんなり乗ってくれた。

大事なことが先に伸びて
安心してしまう僕。

そんな僕の気持ちを知っているのか
コオさんは

「じゃ、まず充電ね」

と言って
僕の首に手をまわしキスをする。

いちいち心臓が止まるかと思う。

はやく慣れないと死んでしまう・・・

本望だけど・・・

気が済んだらしいコオさんは

「うし。
 めっちゃはやく終わらせたる」

と変な気合を入れて服の山に向かった。

キスの余韻にドキドキしながら
僕はゴミを片付ける。

少しすると

「ちょっと休憩~」

と言ってソファに横たわるコオさん。

慣れない秘書課で
疲れているんだろうなあと思っていると
そのまま動かない。

寝てしまったようだ。

また少し猶予が伸びて、ほっとする僕。

ごめんなさい。

そう思いつつも
無防備な昼寝姿が気になってしまう。

付き合っているからいいよね、
と誰に言うでもなく言い訳をして
ソファのひじかけに座る。

こっそりコオさんの頭を撫でてみる。

これも憧れだった・・・

あー幸せ・・・

しかし、信じられないよなあ。

こうして二人でいること。

憧れの
コオさんは寝ていて、
僕がそばにいること。

奇跡だなあ。

ふと窓を見ると
カーテンの隙間から月が見えた。

青い空に浮かぶ白い月。

きれいな半月。

上弦の月っていうんだっけ。

ずっとコオさんと一緒にいられますように

と僕は月に願いをかけた。
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