空芽
「知ってる」
「今度は?
なんて言ったのよ」
佳珠が聞きたいのは
きっと別れ際の事。
「別に?普通に別れた」
「はぁ……」
……なんでお前が
ため息つくんだよ。
いつの間にか冬美とも
仲良くなってるし。
「……零さぁ、」
「三奏さん、45ページ
読んでくれる?」
なにかを言おうとした時
先生に当てられた佳珠に
ざまあみろ、の
意味を込めて舌をだす。
頬を膨らませて
教科書を読み始める
佳珠を見ながら
普通にしてれば
こいつも
可愛いのに、なんて。
佳珠は
恋愛対象じゃない。
そんなこと言ったら
周りの奴等みんな
対象じゃないんだけど。
付き合うけど、
好きじゃない。
恋愛じゃない。
好きになれない。
……俺って、何?
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