幕末野菜生活!

沖田総司SIDE




それは、雪の降る夜のことだった。
珍しくその日は土方さんも見廻りに行くと言った。
ホントに珍しくて思わず「だから今日、雪が降るわけですね」と、言ったら土方さんに軽く叩かれた。

その後、一番隊と土方さんと一緒に見廻りをして土方さんが急に私と一緒に見廻りをしたいと言い出した。
なにか大事な話でもあるのかと思い、部下達には他を廻って貰うように頼んで土方さんと二人で廻り始めた。




「どうしたんですか土方さん。なにか大事な話でもあるんですか?」


「いや……どうも今日は胸騒ぎがする」




こうゆう時の土方さんの勘はよく当たることを私は知ってる。
その後は、お互いに何も言わず黙って周囲を見渡しながら歩いた。

そして、暫く歩いていた時だ。
道の真ん中に誰かが倒れているのを見つけた。




「土方さん!!誰か倒れてますよ!!」


「その様だなっ、走るぞ総司!」



土方さんの掛け声と同時に走りだし倒れている人の所までそんなに時間はかからなかった。
倒れている人はうつ伏せの状態で片手に刀を持って、体型からして女性だということはわかった。そして私と土方さんの見たことのない着物を着ていた。
取り敢えず、体が冷えていたので屯所に連れて行こうと思い仰向けにした時、思わず息を飲んでしまった。



「わたし………?」



その女性は私にうり二つの顔だった。
土方さんも驚いて私と交互に見比べていた。
その時、女性は目を覚ました。










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