鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 部屋に入ってから、数十分。


 広い広い座敷にあたしたちは、隅の方で座布団に正座している。


 数十分って・・・・・・。


 あ、足がそろそろ限界なんですけど!?


 ちらりと隣を見れば、涼しい顔をしている絖覇。


 キラキラとした目で、ずっと部屋を見渡しているナト。


 あれ、ナト、美少女モードになってない?


 しかも、格好がハデな服装から桜色の着物に変わっている。


 ナトは服装を自在に変えることができるみたいだ。


 それにしても・・・・・・抜群のスタイル・・・・・・。


 着物を着てても分かる。


 それに比べてあたしは・・・・・・。



 ・・・・・・比べものにならない。


 比べると、虚しくなる・・・・・・。


 よし、考えないようにしよう。


 思考を別の物に変えると・・・・・・。


 途端に足に電撃が走った。



「っあ!」



「りん?」



「りんりん!?」




──バターン。




 あたしは足が痺れてしまい、無様に畳の上へと転がった。


 イテテ・・・・・・。


 あ、足が痺れて・・・・・・起き上がれないよぉお!!


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