切片詩集 限界セグメント
渇風




突然止んだ風が僕の中で見せる
その空虚を誰が知ってる?

風が吹かないことを知っている

どんな苛酷な風でもいい
もしそれが灼熱の風でも
僕は吹きすさばれよう
皮も肉も灼け骨が灰にになるとしても

灰色の屍体を踏みしめて
人が感覚という幻を手にする過程を
逆回しで再生する

最後にいなくなる僕自身
愛しさの中で声を忘れる







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