この恋、永遠に。
やっぱり萌ちゃんは気づいてたんだ。本宮なんて珍しい苗字でもないけど、会社の名前と同じだったら、ピンとくるものなのかもしれない。
「う、うん…専務だよ」
「そうなんだ〜!うわぁ〜いいなぁ。一流企業の御曹司でしかもイケメン!さすが美緒先輩ですよね〜、憧れちゃう」
萌ちゃんから浴びせられる称賛の言葉に私は戸惑う。だって、すごいのは私じゃなくて彼だから。
それにまだ一回食事をしただけで、別に付き合おうと言われたわけでもなければ、好きだと言われたわけでもない。そして前回私はどうやら彼を怒らせてしまったようだし。もしかしたら、これきりかもしれないのだ。
そもそも彼は専務でも、私はリストラ候補の資材部だ。それを忘れてはいけない。…萌ちゃんには言えないけれど。
「萌、いい加減にしろよ」
萌ちゃんの高いテンションに乗せられるわけでもなく口を噤む私に、晃くんが助け舟を出してくれた。
「今日はそんな話のために美緒先輩呼んだわけじゃないだろ」
「あ、そうだった」
ペロッと舌を出して肩を竦める彼女は愛らしく笑う。
「美緒先輩、ちょっと早いんですけど、一月の第二土曜、空いてます?」
それを聞いて私はすぐに納得がいった。その日はこの双子の誕生日だ。
萌ちゃんと晃くんの実家は一般的な家庭に比べると裕福で、毎年二人の誕生日は親戚や知人を招いてパーティが開かれる。
私も二人と出会ってから、毎年お邪魔していた。
「もちろん」
「良かった。今年もやるんで美緒先輩も来てくださいね!」
私は二つ返事で了承した。
今年は何を着ていこうか。自宅でのパーティとはいえ、正装で来る人が多いのだ。
「あ、そうだ!よかったら美緒先輩の彼も誘って一緒に来て下さいよ」
突然くったくのない笑みを浮かべながら、萌ちゃんがとんでもない提案をした。
「え?か、彼?」
「何とぼけてるんですか〜?本宮さんのことですよ。もし良かったら連れて来てください。私も色々お話したいし」
まさかそんなお誘いを受けるとは。私は内心焦った。
だって、私と本宮さんはそこまで親しい関係ではない。少なくとも、私の友人の誕生日パーティに一緒にお邪魔するほどには。
「萌ちゃん…悪いけど、多分それは無理だと思う……」
私は断ることにした。第一、この前の食事の後で彼を怒らせたかもしれないのに…。誘えるわけがない。
「う、うん…専務だよ」
「そうなんだ〜!うわぁ〜いいなぁ。一流企業の御曹司でしかもイケメン!さすが美緒先輩ですよね〜、憧れちゃう」
萌ちゃんから浴びせられる称賛の言葉に私は戸惑う。だって、すごいのは私じゃなくて彼だから。
それにまだ一回食事をしただけで、別に付き合おうと言われたわけでもなければ、好きだと言われたわけでもない。そして前回私はどうやら彼を怒らせてしまったようだし。もしかしたら、これきりかもしれないのだ。
そもそも彼は専務でも、私はリストラ候補の資材部だ。それを忘れてはいけない。…萌ちゃんには言えないけれど。
「萌、いい加減にしろよ」
萌ちゃんの高いテンションに乗せられるわけでもなく口を噤む私に、晃くんが助け舟を出してくれた。
「今日はそんな話のために美緒先輩呼んだわけじゃないだろ」
「あ、そうだった」
ペロッと舌を出して肩を竦める彼女は愛らしく笑う。
「美緒先輩、ちょっと早いんですけど、一月の第二土曜、空いてます?」
それを聞いて私はすぐに納得がいった。その日はこの双子の誕生日だ。
萌ちゃんと晃くんの実家は一般的な家庭に比べると裕福で、毎年二人の誕生日は親戚や知人を招いてパーティが開かれる。
私も二人と出会ってから、毎年お邪魔していた。
「もちろん」
「良かった。今年もやるんで美緒先輩も来てくださいね!」
私は二つ返事で了承した。
今年は何を着ていこうか。自宅でのパーティとはいえ、正装で来る人が多いのだ。
「あ、そうだ!よかったら美緒先輩の彼も誘って一緒に来て下さいよ」
突然くったくのない笑みを浮かべながら、萌ちゃんがとんでもない提案をした。
「え?か、彼?」
「何とぼけてるんですか〜?本宮さんのことですよ。もし良かったら連れて来てください。私も色々お話したいし」
まさかそんなお誘いを受けるとは。私は内心焦った。
だって、私と本宮さんはそこまで親しい関係ではない。少なくとも、私の友人の誕生日パーティに一緒にお邪魔するほどには。
「萌ちゃん…悪いけど、多分それは無理だと思う……」
私は断ることにした。第一、この前の食事の後で彼を怒らせたかもしれないのに…。誘えるわけがない。