この恋、永遠に。
 キスは次第に深く激しくなっていき、私は息も絶え絶えになりながら、必死についていく。足がガクガクしてきて、立っていられなくなってきた。背後から抱きしめる彼に体半分振り向いてもたれながら、彼のシャツを握り締める。まだ片付けが途中なのに、こんなの、だめなのに…。
 私の膝がガクンと折れた。と、同時に彼の逞しい腕が伸びてきて私を支えてくれる。ぼんやりと見上げた彼の顔は完全に雄の顔だった。

「美緒……寝室へ行こうか」

 甘い誘惑が私を襲う。痺れた頭ではまともに考えることもままならない。

「まだ……片付けが……」

「後でいいよ……今は、美緒が欲しい」

「ん………」

 キスを繰り返しながら彼が囁く。まるで甘い呪文を掛けられたように、私はコクリと頷いた。
 彼は私の膝裏に腕を差し込むと軽々と私を抱き上げた。不意に高くなった視界に私は思わず彼の首に腕を絡ませ抱きつく。そのまま彼はリビング奥にある寝室へと進むと、私をベッドの上にゆっくりと降ろした。
 真っ暗な寝室は、リビングから漏れる明かりだけが光源だ。彼の端正な顔に影が出来、彼の精悍さを際立たせている。

「あ、あの……、柊二さん…、私、先にシャワーを浴びたいです……」

 初めてのときはいっぱいいっぱいで、シャワーにまで気が回らなかった。けれどやはり彼に抱かれるなら綺麗な体でいたい。

「ん……駄目だ。俺がもう我慢できない」

「や、でも、あの……今日はお料理もして、匂いとか……汗、とか……」

 私に覆いかぶさり唇に、額に、頬に、とキスを繰り返す柊二さんに、必死に抵抗する。今日はシャワーを浴びさせて欲しい。
 私が珍しく食い下がったからだろうか、彼は少し上体を起こすと私を見下ろした。その瞳には情欲が溢れていて、私は一瞬ドキリとする。

「仕方ないな。分かったよ。今日は先にシャワーを浴びよう」

 小さく嘆息した柊二さんは私から体を離すとベッドを降りた。私はほっと息を吐く。が、それもほんの一時のことだった。
 ベッドから降りた柊二さんは、何を思ったのか、私を抱き上げるとすたすたと歩き出す。向かう先はリビングとは反対側のドアだった。

「あ、あの、柊二さん!どこへ?」

「うん?シャワーを浴びたいと言ったのは美緒だろう?」

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