この恋、永遠に。
「しゅ、柊二さん……何だか今日は、意地悪です………」

 私の抗議に彼はふっと視線を和らげた。そのまま彼の力強い腕の中に閉じ込められる。
 裸の胸に顔を押し付けられる形になって、私の心臓は途端に早鐘を打ち始めた。彼の香りに酔いそうだ。

「うん、ごめん。美緒の困った顔も可愛くて。困らせたくなったんだ」

「……もう」

 右手で軽く彼の腕をぶつ真似をすると、彼は白い歯を見せて笑った。まるで少年のようないたずらっぽい笑顔に私の心臓がまた跳ねる。

「じゃあ、ご飯の準備をしますから、早く着替えて来てくださいね」

 こんなにいつもドキドキしていて私の心臓は持つのだろうか。彼といるとドキドキが止まらない。どうかこの音が彼に聞こえていませんように。私は祈りながらキッチンへ戻ると食事の準備を整えた。


「うん、すごく美味しかった。美緒がこんなに料理上手だったとは驚いたよ」

 柊二さんは私が作った料理を全て綺麗に平らげてくれた。何を作ろうか散々悩んだが、彼はイタリアンやフレンチは食べ慣れていそうだった。だから無難にお味噌汁と、肉じゃが、海草サラダ、ハンバーグといった、いたって普通のメニューにした。

「いくらなんでも褒めすぎですよ。逆に嘘っぽく聞こえます」

「心外だな。本当なのに。じゃあ不味いって言った方が良かった?」

「そうじゃないですけど……」

「うん。分かってる。でも、本当に美味しかったんだ。また作って欲しい」

 食べ終わった食器を片付けている私の隣に立ち、背後から抱きしめるように私のウエスト辺りに腕を回しながら柊二さんが耳元で囁く。

 彼の吐息が耳にかかって、まだ片付け中だというのに、私の体が勝手に熱くなるから困ってしまう。もう、今は止めてほしいのに。

「柊二さんさえ良ければ、いつでも作りますよ」

 耳元に顔を寄せる彼を振り返って微笑むと、不敵に笑った彼に唇を塞がれた。

「美緒……」

 すぐに彼の舌が私の口腔内に侵入する。歯列をなぞり内側の粘膜を刺激するように進みながら私の舌を捕らえると軽く吸われた。

「……ふっ……んん……」

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