この恋、永遠に。
 そういって私から手を放すと、彼はさっさと自分の服を脱ぎ始めた。あっという間に最後の一枚、アルマーニのボクサーパンツを脱ぎ捨てると彼はバスルームへと入って行く。すぐにシャワーの音がして、彼は一人でシャワーを浴び始めた。

 ガラス張りの仕切りが空間を隔てているのに、透明なガラスの所為で別の空間には思えない。私のいるパウダールームから、彼のいるシャワールームは丸見えなのだ。もちろん、それは逆もしかり。
 自分で脱ぐと言っておきながら、この状況で自分で脱ぐほうが恥ずかしいことに気づく。どうしよう……。私が躊躇って中々服を脱げないでいると、痺れを切らした彼が、ガラス戸の向こうからコンコンとドアを叩いた。

「やっぱり脱がせてあげようか?」

 意地悪な笑みを浮かべた彼はいつもの優しい柊二さんと本当に同一人物なのだろうか。私は瞳を滲ませながら、意を決して服を脱いだ。素早く脱いでバスタオルに包まる。その間もガラスの向こうの彼の視線を感じて居たたまれなかった。





「……予定が狂ってしまったな」

 ベッドに横たわった私に覆いかぶさりながら、柊二さんが仕方なさそうに微笑んだ。予定?何かあったのだろうか。

「何か、あったんですか?」

「うん。ちょっと、ね」

 柊二さんが私の頬にキスを落とす。続いて額にもキスをしながら最後に唇を軽く吸った。

「後で、教えてあげるよ……」

 二度目の夜は初めての夜よりも刺激的だった。相変わらず柊二さんは優しかったけれど、彼は普段はあんなにクールなのに、ベッドの中ではたまに意地悪になる。もちろん、彼が素敵で優しいことに変わりはないけど、彼は私が恥ずかしがることをしたがるのだ。

 お風呂での行為もそうだったけれど、その後ベッドでもたくさん恥ずかしいことをされた。私が恥ずかしがると、彼は満足そうな笑みを浮かべて私を見つめる。でもそんな彼に私は簡単に気持ちよくさせられてしまうのだから、困っている。私も、彼を満足させてあげられているのかな…。

 バスルームからベッドに戻って、彼に散々愛された私は、体のあちこちに彼に愛された証があるのに気づいて、頬を赤らめた。彼は俺のものである印だと言って、愛しそうにその跡を指でなぞっていた。
 私も彼に愛された証を刻まれるのは嬉しいけれど、首筋や鎖骨など、見えそうな場所につけるのはやめて欲しい。もし会社で見られたら何て言い訳をしていいのか分からないから。そう言って私が抗議したら、彼は笑って「分かった。善処する」だなんて言っていたけど、本当に分かっているのかどうかは怪しい。

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