イジワル王子の甘い嘘



「じゃ、しっかりと反省しとくことだね」



「終業式が終わったときに機嫌がよかったら、迎えにきてあげよっかー?」



「あ、このこと誰かにバラしたらもっと痛い目に遭わせるから。分かった?」




結局私は、自分のことと愛斗くんのことを天秤にかけて、愛斗くんのことを取ってしまった。


女子生徒たちによって空き教室に鍵が掛けられ、私はただじっとすることしか出来なくなってしまう。

この教室は古い作りなのか、外側にしか鍵がついていないみたいで、内側からはどうすることもできない。

だからあの子だちは、ここを監禁場所に選んだんだろうな。


一緒に持ち込んだカバンからスマホを取り出して今の時間を確認する。終業式までまだまだ時間はある。こういうときは何をして過ごすのが正解なのかが分からない。


このスマホから愛斗くんに助けを求めることだって出来たけど、やっぱり愛斗くんに迷惑をかけたくないという思いが強い私は、SOSを発信することができなかった。


唯一この空き教室に放置してあった机とイスをセットして、そっと腰をおろす。


朝の目覚めはすごくよくて、朝ご飯も大好物で、今日はきっといい1日になるなと思っていたのに。




「抵抗できるわけないよね。……愛斗くん絡みのことで」




明るい気分から一気に心の中は曇り空となってしまった。



お願いします。

私が女子同士のいざこざに巻き込まれてこんな状況に陥っていること、どうか愛斗くんにはばれませんように。


何も出来ない私は、ただ必死に願うことしかできなかった。


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