俺様社長と秘密の契約
「…やっと会えた」
そう言った次の瞬間、龍吾は、私をきつく抱き締めた。

…私は龍吾に身を委ねた。
…やっぱり、この腕の中が、1番落ち着く。

…しかし、すぐにハッとし、龍吾から離れようとした。

誰かに見られたらマズイ。
私だけならまだしも、龍吾も、マスコミの餌食になってしまう。

…が、しかし。

龍吾は、私を離さなかった。
「もう少しこのまま」
「…でも」

私の言葉に、龍吾はフッと、笑う。

「…どうして、笑うんですか?」
少し怒ってそう言うと。

「理子らしいなと、思って」
「…え?」

ほんの少し体を離して、私の頭を優しく撫でた龍吾。

それだけの行動なのに、キュンとなる。
あぁ、本当に、私は、この人の事が好きなんだなと思い知らされる。
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