俺様社長と秘密の契約
「理子は、自分の事より、俺の事ばかり、心配する」

「…⁈」

「こんなところ、誰かに見られたところで、どうって事はない。不倫してるわけじゃあるまいし」

「…でも、好き勝手書かれるかもしれない」

「そんな輩は、俺がこの手で握り潰す。だてに、大企業の社長はやってない。

理子を傷つけるものは、誰だって許さない。たとえ、実の弟でも」

「…龍吾さん」
その言葉に、背中がゾクリとした。
龍吾なら、やりかねないと思うと…

「…この指輪」
ふと私の胸元に手を伸ばした龍吾が、それを持って呟いた。

「これは…」
これは、龍介が私に無理やりはめた婚約指輪。…2人の事が、表に出るまでは、こうやって、肌身離さず付けるように言われて、今はこういう着け方をしている。

「…こんな物より、もっといい物をつけろ」
少し不機嫌に言いながら、龍吾は私の左薬指に、指輪をつけた。
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