俺様社長と秘密の契約
「この契約は、一生破棄される事はない」

「…おばあちゃんになっても続くって言うんですか?」

そう言って笑う。


「俺は、そのつもりだ」

「…冗談はよしてください。婚約者の方に失礼です。

私だって、結婚できないじゃないですか」

御堂社長に背を向けたままそう言った。


「婚約者なんてどうでもいいと言ったはずだ。

それに、この契約がある以上、お前を結婚させたりしない」


「自分勝手ですよね、社長はいつも」

周りの人の事など、何も考えてなどいない。

…すべては自分の為。・・・自分の利益の為。


「…お前になんと言われようが、この契約は止めない。

傍にいる以上、お前は俺のモノだ」


「…私は、社長にとって、オモチャって事ですね」

「・・・・」


「・・・わかりました、でも、私にだってそれ相応の利益が欲しいです」

・・・そんなもの、本当はいらない。

…私はただ、静かな毎日が帰って来てくれればそれだけでいいのに。

・・・御堂社長は、そうさせてはくれそうにない。

それなら、それを逆手に取るしかない。


「わかった、お前が欲しい物は、すべてくれてやる」

御堂社長の言葉に、私は作り笑いを浮かべるのが精一杯だった。
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