俺様社長と秘密の契約
「さっさと着替えて来い、ここで待ってるから」

「…え」
俺の言葉に、目を丸くする理子。

「…そのままの格好で行くと言うなら、それでもいいが?」

次の言葉には、流石に反応が早かった。

「着替えます!着替えます!」
そう言うなり、理子は慌てて自分の部屋に着替えに行く。

「10分で着替えて来い」

「…もう少し時間を下さい」
「…却下」
「…」

…、10分経過した頃。
カツカツと、ヒールの音が聞こえてきた。
…、参ったな。
それが、最初に浮かんだ言葉だった。

会社では絶対しないであろう、フェミニンな格好で、キレイ系な理子が、可愛い系に変わった事に、驚きを隠せない。

「…なんか、変ですか?」
ジッと見つめられ、いたたまれなくなったのか、理子が俺に問いかける。

「…別に」
可愛いなんて、口が裂けても言えない。
素っ気ない態度でそう言って、理子を車に乗せた。
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