俺様社長と秘密の契約
2人きりで居たいが為に、ドレスをクリーニングに出したのが裏目に出て、今度は、告白し損ねて話しを逸らして墓穴を掘るし…

全く、何やってるんだかと、自分で呆れつつ、でも気を取り直して、話しを進めた。

「行くぞ」

「…どこへ?…この格好で」

俺の言葉に、理子は怪訝な顔をした。

流石にこの時間はどの店も開店していない。俺はさっさと自分の身支度を済ませると、ジャージ姿のままの理子を車に乗せた。

「こんな格好で、水族館は嫌ですよ」
不機嫌な顔で、理子は言う。
しかし俺は、知らん顔で車をはしらせた。

「…本気で行くつもりですか?」
何も言わないまま、走る車。
理子は、不安で仕方ない様子。
不安のあまり、頭を抱えてしまった。

「…着いたぞ」

「…」
着いた場所を、恐る恐る見上げた時の理子の顔を見た俺は、笑をこらえるのに必死だった。
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