俺様社長と秘密の契約
「…気が済んだか、麗美？」
「…こんなんじゃ足りないわ。…でも、これからはずっと一緒にいてくれるんでしょ？」

そう言った麗美の顔は悲しげに微笑んだ。…そんな事は無理だとわかっているのに、なぜここまでするのか。

「…麗美、俺は」
「…伊織兄さん…と」

麗美は俺の向こうにいる人物に声を掛ける。俺も、そちらに向き直った。

「…理子」
「…社長」
伊織の横にいる理子に釘付けになった。
理子は、俺から視線を逸らした。

「…珍しい組み合わせですね」
伊織は、麗美と俺が一緒にいることに、驚きながらそう言った。
…伊織は何も知らないようだ。

「…伊織兄さんこそ、なんでそんな子と」
麗美もまた、伊織達が一緒にいることに、驚いている。

そんな麗美を見て、伊織はニコリと微笑んだ

「…私たちは恋人ですから、一緒にいて、当たり前ですよ」

「「…‼︎」」
伊織の爆弾発言に、俺も麗美も、目を見開いた。

…、しかし、当の理子の表情は、曇っていた。
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