俺様社長と秘密の契約
「…理子、これだけは言っておく。
俺は神宮寺財閥の後継者の理子だから好きになったんじゃない。理子と言う、女性を好きになったんだ」

「…龍吾さん、私を好きになってくれて、想ってくれて、ありがとう」

そう言って、理子は涙目でほほ笑んだ。
その顔ですら、綺麗だと思う。
本当に、心から理子が愛しいと思う。

俺は理子を、ギュッと抱きしめた。

「…龍吾さん」
「…ん?」

「…どんなに、目を瞑ってても、耳を塞いでも、私が神宮寺財閥の後継者だと言うことは、逃げられない事実ですよね」

「…そうだな。元々、会長は、理子にその事実を告げるつもりは無かったんだ。
影から理子の成長を見守っていられれば、それだけでいいと聞いてた。…たが、理子がそれを知った以上、会長が、理子を後継者にと願ってる以上、逃げられない」


「…私、どうしたらいいか、わかりません。お爺様をお爺様として、認めることは出来ました。でも、自分が神宮寺の血を引いてるなんて、まだ、嘘みたいで…


俺は理子の手を優しく握りしめた。
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