コエ。
2 思い出

とても、懐かしい夢をみた。
正確には、懐かしく感じた。そんな夢だ。
影のようなものが私の中にすぅと入って。そして、影は私の名を呼んでいた。
セツ、セツ...と愛おしむように。
あれは、何だったのだろう。
幼い頃の思い出の一部だろうか。
曖昧な部分がありすぎて、ほぼ分からないこんな時記憶力がもう少しあればと思う。
でも、幼い頃の夢だ。
覚えていなくても、しょうがない。
「雪、学校遅刻するわよ!!」
1階のキッチンから母の声が聞こえる。
「はぁ~い、今行く!!」
今日は、待ちに待った中学校の入学式だ。私が妖怪の声が聞こえるののいうのは、
伏せておく。
そうしたら少しは、人間関係もうまくいくと思ったからだ。中学からやり直す。
幼稚園や小学生の頃みたいには、しない。
きっと、うまくいくはずだ。

< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop