きみは、わたしの名前を呼んではくれない。


いつもだるーんとしていて、基本ポーカーフェイスで、やる気あんのかこらって喝をいれたくなるくらい眠たそうな表情ばかりのコウくん。


だから笑顔を見せることも、周りの人たちに比べるとちょっとだけ少くない。
彼の笑顔はレアモノである。


しかも、いまみたいに無邪気な笑顔を見せるなんて、激レアだ。



見せるとしてもほとんど、人をバカにしたような笑顔なんだもん。


ていうかわたしをバカにした笑顔?
……嘲笑っていうの、あれ?

まあ、あれもあれでかっこいいんだけど。 ……え、いや、Mじゃございませんけど。 誤解しないで?


ああ、もうなんでもいいから、とりあえず写メ撮る用意しとけばよかったくそう……。



そんなわたしを見て、彼は「相変わらずおもしろいね、百面相」と真顔で言う。


本当におもしろいと思ってるのかは……ポーカーフェイスな彼なので謎である。

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