できちゃった結婚です!
「杏行くぞ」
「うん」
タクシーに乗り込んで、行き先を伝えるとすぐに出発した。
真っ白な吹雪の中、それでもタクシーは進んで行く。
東京とは何一つ同じところがないこの町。
わたしが育った、場所。
「杏はここで過ごしたんだな」
「秋田自体来なかった?」
「あぁ。東京に引っ越してからは一度も来てないな」
「どう?久しぶりの秋田は」
「さみぃ~」
そんな会話をして、しばらく。
わたしの家の前にタクシーが止まった。
「覚悟は、出来てる?」
「そうだな、殺されても仕方ないな」
「もう!冗談じゃないんだからね」
「分かってるさ」