歌姫の君に恋をした。
「初めまして、美春のマネをしています、杏奈です。
今日この場をお借りいて皆さんにお伝えしたいことがあります」

杏奈の言葉に体育館がザワつきに包まれた。
美春は杏奈と繋がれている手に力を入れた。


「私杏奈は凛蝶をしています。
凛蝶の昔の悪戯を知っていますか?
ある1人の男の子を病院送りにし、今も意識不明になっているという事を…。
それは私の一生の罪です。
償えきれない、一生背負う罪です。
でも私はその子の兄に恋をしました。
皆さんは誰のことかわかっていると思います。
汚れるとかそんな事を思っていると思います。
私に何しようがどうってこと無いです。
ただ学校なれしてない美春の事をよろしくお願いします」


そういって杏奈は礼をした。
美春は涙を流していた。



ねえ、美春…
隠し事しててごめんね
でも美春のことだから知っていたのに言わなかったのでしょう?
美春の優しさは私が1番知っているもの…。

美春、ありがとう。



「それでは集会を終わりにします。
みなさん各自教室に戻ってください」


体育館はまだザワつきに包まれていた。
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