それが私の彼氏
それが私の彼氏
先輩は、私が泣いてた理由をどうしても知りたいようで。
「誰にも言わないから言ってみなよ?」
「イヤです」
さっきから聞き続けてきて諦めてくれない。だけど、言えないよ。言えるわけないよ。こんな理由、恥ずかしすぎる。

「俺、麻鈴ちゃんが心配だよ」
そう言って、今度は私の涙を手で拭ってきた。
好きな人にこんなことされて、私の心臓が耐えられるわけがない。

笑われてもいいから言ってしまおう。
「笑わないでくださいね?」
「うん!もちろん笑わないよ!」
「本読んでたんですけど、感動しちゃって。そしたら泣いちゃったんです。」
「……プッ……」
「あー笑わないって言ったのに!」
「ご、ごめんね?」
「うぅ……」
やば。先輩が笑ったらまた涙出そう。こんなに涙もろかったっけ。

そのとき


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