佐伯先生×ゆあちゃん【短編集】
「きみが食べ切らなくても、僕は食べない」

「……ほんとう?」

「あぁ、チョコレートはきみからもらったものしか受け取らないから」

「でも、わたし持ってきてない…」

またしょんぼり顔に戻った。

「ならここについているのをもらう」

口元についたチョコレートを舐めとった。
ついでにキスもした。

「甘い…ものすごく、チョコレートの味がする」

比喩的に言っているのではない。
どれだけ食べたんだ、というくらい彼女の口内にチョコが残っている。

「ふふふ、はっぴーばれんたいん」

きょうが恋人たちにあるものならば、部外者は出て行ってもらおう。
その後、彼女が食べ切らなかったチョコレートは二人で処分させてもらった。


<Happy Valentine's day>

「チョコ作りに、挑戦したことがあるのか?」
「うん。でも作ってるあいだにどんどんチョコが少なくなっていっちゃうんだ」
「…それは器用不器用の問題ではない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

料理ができないゆあ。
かっこよさを自覚している佐伯先生。
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