四百年の恋
4
「つまり殿が月どのをご寵愛なさるのは、果たせなかった初恋の相手に月どのを重ねているだけなのね」
「そうとも知らず月どのは、冬悟さまからとのに乗り換えるのに成功したと思って、舞い上がっておられるのでしょう」
……その辺りから、女たちの声が月姫の耳に届かなくなった。
冬雅の初恋の相手の話は、当然初耳。
(その娘が、私によく似ていた・・・? そして殿が強く私を求めるのは、愛ゆえではなく。初恋の相手の面影を重ね合わせて、遠い昔の甘い思い出に浸っているだけ……?)
聞かなければよかったと姫は強く思った。
(どうしてこんなに胸が苦しいのだろう)
姫の胸の鼓動はますます高まった。
確かに動揺している。
(殿のことなど、何とも思っていないはずなのに。どこにも逃げる場所がないゆえ、あきらめて抱かれているだけなのに)
その時急に、強い雨が降り始めた。
涙も何もかも、かき消してしまうかのように。
「つまり殿が月どのをご寵愛なさるのは、果たせなかった初恋の相手に月どのを重ねているだけなのね」
「そうとも知らず月どのは、冬悟さまからとのに乗り換えるのに成功したと思って、舞い上がっておられるのでしょう」
……その辺りから、女たちの声が月姫の耳に届かなくなった。
冬雅の初恋の相手の話は、当然初耳。
(その娘が、私によく似ていた・・・? そして殿が強く私を求めるのは、愛ゆえではなく。初恋の相手の面影を重ね合わせて、遠い昔の甘い思い出に浸っているだけ……?)
聞かなければよかったと姫は強く思った。
(どうしてこんなに胸が苦しいのだろう)
姫の胸の鼓動はますます高まった。
確かに動揺している。
(殿のことなど、何とも思っていないはずなのに。どこにも逃げる場所がないゆえ、あきらめて抱かれているだけなのに)
その時急に、強い雨が降り始めた。
涙も何もかも、かき消してしまうかのように。