四百年の恋
 「そんな卑下することないじゃないか。全ての教科において素晴らしい成績、」


 「かなり点数が落ちました」


 「今回は問題が難しかったから、全体の平均点も下がる……」


 「そんなのいいわけになりません」


 全く取り付く島がない。


 「点数も落ちたし、順位も……」


 震える声で美月姫がつぶやいた。


 今回の学力テスト。


 大村美月姫は学年二位。


 一位は……清水優雅。


 中等部時代から常にトップを走ってきた女王が、はじめて陥落した瞬間だった。


 「清水は特別だから。それに今回は、合併に伴いバタバタしていたし」


 圭介はフォローしたつもりなのだけど、


 「合併はみんな同じ条件です。それに清水くんのどこが特別なんですか。私たちと同じ高校生じゃないですか……」


 美月姫はたいそう悔しがっていた。


 トップを独走してきたのが、ここに来て陥落。


 しかも相手は、たいして勉強していなさそうに見える男。


 「ま、終わったことは仕方ない。次は連休明けにまた模擬試験がある。その時に挽回すればいいってことで……」


 ようやく圭介は、美月姫を丸め込んだ。


 そしてはじめての面談ということで、家庭の話などもした。
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