勝手に百人一首
ーーーうわぁ、ほんともう、どうしよ。





めっちゃドキドキする………




てゆーか、めっちゃ嬉しい………





でも、なんか夢でも見てるみたい………






恥ずかしさと緊張で、あたしはやっぱり俯いてしまって、今井くんの顔が直視できなかった。





でも、それは今井くんもいっしょみたい。





いつも冷静で穏やかな今井くんが、落ち着かない様子で袖をまくりあげたり、おろしたりしているのが、視界の隅っこに見えるから。







「………かっ、帰ろっか」






と、今井くんが呟くように言ったので、あたしは、






「う、うん………」






としどろもどろで頷いた。






あたしたちはぎくしゃくしたまま、自転車を押して歩き出した。







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