How much?!
「えぇ~っ?彼氏でもない男の為にプレゼントを考えるなんて、面倒です」
「………」
忘れてたよ。
彼女はクールな上にドライだという事を。
「志帆ちゃんだったら、何をあげる?」
それでも、今日ばかりは譲れない!
食い下がってでも相談に乗って貰うんだから。
志帆ちゃん好みの困り顔でじっと見つめると、彼女は仕方ないなぁと言わんばかりに考え始めた。
やっぱり、志帆ちゃん最高っ!!
「私だったら、無難にネクタイですかねぇ」
「ネクタイ?」
「仕事で使うし、プレゼントって言ったら一般的ですし」
「うんうん!で、幾らぐらいの?」
「そうですねぇ……」
さり気なく価格まで聞き出すあたり、私も腕を上げたなぁ。
志帆ちゃんの為に2杯目の珈琲を淹れる。
「高速代とガソリン代って、幾らでしたっけ?」
「約1万円」
「じゃあ、無難に2万円弱のでいいんじゃないですか~?支出分にお礼分を足して」
「2万円弱ねぇ~」
「彼が愛用してるブランドとか分かります~?」
「全然」
「ですよねぇ~」
好きなブランド?
そんなの分かるわけない。
だって、昨日着てた服でさえ記憶に乏しい。
黒いコートだったっけ?
あれ?グレーだったかなぁ?
とにかく、愛用ブランドだなんて知る由もない。
「先輩。もう少し彼に興味を持った方がいいですよ」
「…………うん」