Not to memories
理由
次の日、
飯田さんと話すため、学校を遅刻した。

飯田さんと同じように、授業が始まる時間に
教室に着けるように逆算し、通学路を歩いた。

すると前の方に、彼女を見つけた。

彼女は道路の真ん中をゆっくりと歩いている。
最初に見た彼女と同じように、空を見上げ、気持ち良さそうにしている。

やば。見ている場合じゃなかった。。。

少し走って彼女の近くに行き声をかけた。

「ぎゃ!」


「仕返し」
急に俺が声をかけたから、彼女はびっくりしている。なんか新鮮だ。

「。。。?ごめん本気でびっくりさせた?」

彼女はしゃがみこみ固まってしまった。
あれやりすぎたのか?

俺は彼女の顔を覗き込んだ。
すると彼女は目を閉じている。
かなり怖がらせたようだ。

「わりぃ。やりすぎたか。。
ここまで驚くと思わなくて。。。」

彼女の目が開き、俺の顔をじっと見て、
少しずつ顔の筋肉が動き始めた。

「びっくりした。。ごめん大袈裟にして」

ムクッと立ち上がっだときに、
彼女のカバンについている人形が目に入って
つい声が出てしまった。

「これっ。。。」


「もしかして滝口くん知ってるの?アルクマ!」

「いや。ごめん知らない。」

「なんだょ!長野のゆるキャラ。かわいいでしょ。でもってなに?どーしたの?
学校で滝口くんが、私なんかに話してくれるなんて想定外ー!」


なんか嫌味な言い方だな。俺は少しムカついたが、昨日のことを話した。

「ありがとう。助かった」

「私なんかした?
滝口くんにひどいこと言ったと思ってたのに。

滝口くんが気付いて、
滝口くんが選んだ行動でしょ。

私には関係ないし」

彼女との距離が近くなりかけたと感じていた。

でも彼女は俺を突き放す。

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