華麗なる安部里奈

赤い鬼熊

水鉄砲事件から2週間後。

テッちゃんは学校の林間学校のために、その週の金曜日は居なかった。ヒロキ君、ツヨシ君も同じ学校だったため、私は3人と遊ぶ事ができなかったのだ。

私が屋敷の中で退屈しのぎにぶらぶらしていると、アッちゃんが声をかけてきた。



「ねぇ、里奈ぁ。今日はお兄ちゃんが居ないから、俺が雅楽坂公園に行くけど、里奈も行く?」

「アッちゃんと雅楽坂公園に?」


「うん」

「アッちゃんがあそこで遊ぶなんて珍しいね」


「いつもはお兄ちゃん達が居るからさ。なんかやって怒られると嫌だし」

「あはは、そっか。それじゃ、せっかくテッちゃんが居ない事だし、行きますか」



私はそう言うと、アッちゃんと一緒に雅楽坂公園へと向かった。


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