華麗なる安部里奈

「僕ね、今テレビで生姜戦隊ジンジンジャーを見てるの」

「へぇー、そうなんだ」

『生姜戦隊（しょうがせんたい）ジンジンジャー』は、テレビでやっている特撮物で、ちょうどアッちゃんくらいの男子達が大好きな番組らしい。私はテレビをあまり観なかったので、内容はよく知らなかった。


「今日、公園でジンジンジャーごっこする？　僕ね、ジンジンジャーの剣持ってきた」

そう言うと、アッちゃんは腰にぶら下げていたおもちゃの剣を私の目の前に取り出した。



「あぁ、それジンジンジャーだったんだね。何かと思ったよ」

「へへへっ。これね、去年の誕生日にママに買ってもらったの」


「律子ママにかぁ。へぇー、いいなぁ。よし、じゃあ、ジンジンジャーごっこしよう」

「うんっ！」