華麗なる安部里奈

幼稚園入園

私は３歳の時に、聖蹟桃ヶ崎女学園付属幼稚園（せいせき ももがさきじょがくえん ふぞくようちえん）に入園した。屋敷の中で働くたくさんの使用人達に囲まれて育った私にとって、幼稚園入園などはあまり大きな出来事には感じていなかった。

初めて袖を通した"制服"という物にテンションが上がり、１日も早く幼稚園に行きたいと父や母に言っていたくらいだ。



幼稚園の入園式の日。

父と母と一緒に車に乗り、幼稚園へと向かう。家を出る時には、使用人達がお見送りをしてくれた。私は使用人達に元気よく手を振り、屋敷をあとにした。そして、幼稚園に着くと、周りで少し緊張気味の子供達をよそに、私は元気に周りに挨拶をしまくった。

「おはよう！　里奈でちゅ、よろしくお願いします！」

礼儀正しいと言えば聞こえが良いが、私は誰彼構わず、とにかくただ挨拶をしているだけという感じだったし、私のあまりのテンションの高さに、周りの子供達は少し引いていたように思う。



それでも、私はとにかくその日１日ずっと高いテンションを維持したまま、入園式という人生の初舞台を元気よく終える事ができたのだった。

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