初めてを君と。
「うちも、友美先生たちとカフェに行ったことあるんよ!友美先生がめっちゃ、キレイなハーフがいるって騒いでて、ここの先生たちとゴールデンウィークにね。」

香織先生が私にむかってペロッと下をだした。

「じゃあ、みんな知ってて…」

私は何だか申し訳なくて、俯いた。

「デビューしても、もしかしたら役に立つときがくるかもしれんやん?だから気にせんでいいんよ。」

山野先生の言葉に香織先生が頷く。

「ありがとうございます。
本当にありがとうございました。」

私は深く頭を下げた。

本当にここの先生たちは暖かい。
全部知った上で、どうせ保育士にならないからと適当な指導ではなく、本当に真剣に指導をしてくれた。
日誌も、たくさん指摘して教えてくれた。

こんな、素敵な保育園で実習ができて、
先生たちと出会えて、私は幸せだ。

もう一度、お礼を言ってから保育園を後にした



マンションの前に着くと、エントランスに晴輝くんの姿があった。

最終日だからか、スーツ姿で壁にもたれ掛かっている。


「晴輝くん?びっくりした…
実習、お疲れ様。」

「くーちゃんお帰り。実習お疲れ。
飯、まだやんな?時間ある?」

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