初めてを君と。
12


実習が終わってからの毎日は、学祭へ向けてのダンス練習と、デビューに向けてのレッスンに明け暮れた。

生活するためにバイトをしないといけないから、毎日がハードで倒れそう。
それでも、夢を掴むためにって思って心を奮い立たせる。


「クレア!お疲れ!」

「おつかれー!」

今日もレッスンが終わってから駅前の練習に合流すると、私に気づいた茜たちが手を振って迎えてくれた。

「遅くなって、ごめんね?」

私はさっそく練習に入った。

茜と咲も初心者だったのが今では上達して、どんどん吸収していく。

女の子たちだけのダンスも、7人でのダンスも、すでに完璧に覚えて自分のものにしている二人をみて、少しだけレベルを上げて振りを変えてみた。

恵理と相談をして、新たな振りを二人に教えると前にも増してダンスの構成がよくなった。

あとは練習に練習を重ねていくだけ。


「今日は7人いてるし、バラードしよか。」

蒼太くんの案にみんなが頷く。
それぞれたち位置に立って、音楽を流すとみんなの顔つきが変わる。

< 143 / 152 >

この作品をシェア

pagetop