初めてを君と。
私がぶつかったせいで尻餅をついている。

「本当にごめんなさい!!!!!」

私は急いで手を差しのべた。

「いや、ええよ。別に。」
彼は私の手を取らずに立ち上がり、見向きもせずに講堂へと入って行った。

私はただ彼の後ろ姿を見つめた。
何故か胸を鷲掴みにされたように、

ギューっと苦しくなった。



「クレア、何してんねん。気い付けや??
クレアのクラス、A組やって。ほら、いくで」

修ちゃんは先を歩いて行ってしまう。

「ちょっと待ってよー!ね、修ちゃんは何組だったの??」

修ちゃんに追い付いて腕を掴んで聞いた。

「俺?俺はB組。隣やし、友達できひんかったらいつでも来いや。」

ニヤニヤしながら言う修ちゃんにイラっとする。
どうせ私は人見知りだよ。
でも、頑張るもん!

修ちゃんと一緒にいる方が目立って、逆に友達出来ないよ。

講堂に入るとクラス別に椅子が並べられ、椅子の上に名前の書いてある封筒が置かれていた。

私は自分の名前を見つけて椅子に座った。

入学式が始まるまでの間、置かれていた封筒の中に入っていた資料をめくる。

明日からのオリエンテーションの内容が書かれていた。

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