初めてを君と。
みんなで座って最初から聞く

ラブバラード。


片思いを書いた切ない曲

片思いをしたことがあれば、絶対に共感できる。

初めて聞いた時、今の自分と重なって涙が止まらなかった。

最後まで聞いてから、振り付けを考える。

バラードだからこそ、動きにメリハリがいる。

男の子はかっこよく。女の子はセクシーに。


考えていたらあっという間に時間が過ぎていた。


「今日はこの辺にしよ。22時回ってるから。」
私はスマホを見ながら言う。
夜はまだ涼しいけど、さすがに動いていたから汗だく。

早くシャワーを浴びたい………

「じゃあ続きは明日の朝。
7時30分に運動室で。」

皆には早いかもしれないと思ったけど、
早く踊れるようになりたいからと、この時間になった。

みんなそれぞれに帰る支度をする。

「じゃあ、俺こっちだから。」

晴輝くんが皆とは反対の砲口を指差す。

「おう、じゃーな!」

蒼太くんが小さく手を挙げた。
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