年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~



「うん。……いいですね」


寝ずに仕上げたいくつものスケッチを並べると、高城さん夫妻が身を乗り出して食い入るように見つめた。手にとってじっくり眺めて、浩二さんが満足げに頷くと、美和子さんも嬉しそうにおっとりと微笑む。

「こうやってビジュアル化されると、改めてわかります。理想通りだ」

プランニングする時はいつも、何枚もスケッチを描いた。自分の手で描き出すことで、イメージが浮かぶこともあるし、愛着がますます深まる気がする。

打ち合わせを重ねて決定していったものを、目に見える形にして最終的にお見せする。それでオッケーが出れば、後は契約を交わして、それで高城さんと直接顔を合わせる仕事はほぼ終わりだ。

用いる椅子やテーブルは、お二人とも一緒に店舗を回って実物を確認してもらった。流木は入口の取っ手に利用されることになり、そのほかに子供さんと一緒に拾ってきた貝殻もインテリアの一部に用いられる。メインテーブルに使われる一枚板は、小川さんと一緒に木場に材料を探しに行くそうだ。
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