年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
会社に戻れば就業時間は過ぎていた。

もうすでに陽が傾いた非常階段の手すりにもたれて、手の中の携帯に表示させた祥裄の番号を穴があくほど見つめる。
今頃はまだ外回りの途中だろうか。それとも社内で書類に追われているんだろうか。


――俺だって不安なんだ、と頼りなく呟いた祥裄の声。


大きく深呼吸をして、迷いを振り切るように通話ボタンを押す。自然と息をひそめて呼び出し音を聞いていると、七回目で祥裄の声が聞こえた。
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