年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
私がタオルケットを体に巻きつけて起き上がると、彼がペットボトルを持ったままベッドに戻って、隣に座った。
一人用のパイプベッドに二人分の体重を預けると、いつも少しきしんだ音がする。
差し出されたペットボトルに口をつけて私もごくごく音を立てて飲むと、それを見て大輔くんがくすりと笑った。

ペットボトルを取り上げて、私を軽く抱き寄せる。自分の肩に私の額を乗せさせると、ようやく首が隠れるくらいまで伸びた襟足の髪を指に巻きつけた。

「結構伸びましたよね。せっせとケアした甲斐があった」

「んー、なんかいつもより伸びるのが早い気がする。変化がわかりやすいからかな」

指の感触を楽しみながら何気なく言うと、大輔くんが少し意地悪な声で囁く。

「やらしい人ほど早く伸びるって言いますしね」
「っ! やらしいの大輔くんじゃん!」

体を離そうと手を突っ張ると、難なく押さえ込まれてまた引き寄せられた。

「嘘ですよ、あんなの迷信ですから。……あー、早く伸びないかなあ」

何度も丁寧に髪を梳いていくその指は、すぐに終わってしまう長さに物足りないと不満なようだ。髪だけでは満足できずに首や背中まで触ってくる。
やがてその手の動きが触れるだけでは収まらない予感を帯びてきて、手首を掴んで無理やり止めた。

「だーめ。大輔くんも明日仕事でしょ?」

軽く睨むとその手はおとなしく諦めて、はーい、と残念そうに返事をしてからベッドに寝転がった。
甘えるように膝に頬をすり寄せてきて、犬より猫みたいだ、と思いながらお返しにその軟らかい髪を撫でると、気持ちよさそうに目を閉じて頭を私の膝に預ける。
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