年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
あっという間に出来上がったのは、全体的にゆるふわな感じの、思いっきりガーリーな髪型だった。
ところどころゆるい編み込みが入っていて、わざと崩して止めてある。
すごく可愛い髪型だったけど、確かに私のイメージとは違うな、と思った。ふわふわの綿菓子みたいなこの髪型は、多分絵里ちゃんみたいな子によく似合う。
それにしても、私みたいなショートの長さでも、きちんと手の込んだ感じにできるんだな。

大輔くんが辻井さんに意見を聞いていて、辻井さんが少しアドバイスしている。でも、ここをこうしてもいいよ、みたいな、アレンジの広げ方みたいなアドバイスが主で、大輔くんが作ったスタイルには全く手を入れるところはなかったみたいだ。

「まあ、あとは鈴坂さんの好みがガラッと変わってないことを祈るんだな。あの子、時々びっくりするような雰囲気の写真持ってくることがあるから」

「げ、そんなことあるんですか? やめて欲しい……」

「大丈夫だよ、路線が変更したとしても、お前の思った通りにやればいい。片桐さんの言ってた通り、要は可愛くなればいいんだ」

励ますような声音に、大輔くんが安心したように、はい、と返事をした。今日は妙に気を張っていたような感じだったけど、ようやくいつもの大輔くんに戻ったみたいだ。
< 382 / 462 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop