年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
腹が膨れて少しだけぼんやりしていると、なあ、とタケさんに声をかけられた。

「お前、今、仕事楽しいか?」

いきなりどうしたんだろうと思った。ただの世間話にしては、声のトーンが真剣だ。

「……楽しい、ですけど」
「そっか」

あっさり一言呟いて、黙ってしまった。一体なんなんだろう。

「なんでいきなりそんなこと訊くんですか?」

そこで話を切るのはいくらなんでも無しだろう、と俺が逆に尋ねると、んー、と少し考えながら、タケさんが再び口を開く。

「俺さ、誰かを育てる、っていうことを、この店に来て初めて任されたから。これでいいのかな、ってたまに不安になるんだ」

タケさんの口から、不安、という言葉を初めて聞いた。

驚いてまじまじと見返すと、その視線に気付いて苦笑する。

「前の店では自分のことで精一杯で、懐いてくれる後輩がいても、あんまり関わってやれなかったんだ。……言いにくいんだけど、他のスタッフとうまくやれてなくて。いろいろいざこざもあったし」

またまた驚いた。この、誰に対しても穏やかな態度を崩さない人が、スタッフといざこざなんて。

「前の店、って、クリアですよね?」
「そう」
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