年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
何度も迷って、その度考えて選んで、時に間違えて誰かを傷つけて。
そうやって悩んでる人のことを、間違っていると責められる清廉さは残念ながら持っていない。

綾川さんも辻井さんも、他人を傷つけて平気でいられるような人には思えない。その上で今の関係を続けているんだったら、それでも譲れない想いがあるんだろう。

「私も大輔くんも、辻井さんに背中を押してもらったから。今度はこっちが応援したいな、って思っちゃうんだよね」

それが明らかに道徳的に非難されるべきことなんだとしても。

「無責任に頑張って、なんて言っちゃダメなんだろうけど。
……綾川さんも、後悔しないような選択をしてね」

私が辻井さんにもらった言葉を綾川さんに返すと、彼女は真剣な顔で、はい、と頷いた。
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