年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~


「応援するよ。頑張って」


大輔くんが一瞬驚いたように目を見張って、それからぱあっと笑顔になる。

「ありがとうございます」

相手を幸せな気分にさせる、そんな笑顔。


祥裄を好きになったのは、きっとその頑張る姿が眩しかったからだ。
その姿から、パワーをもらえたから。そして今、大輔くんからも同じようにパワーをもらった気がする。


「あのさ。よかったらまた、ご飯付き合ってよ」

カバンに放り込んであった名刺入れを探し出して、一枚抜き出して裏返す。
彼がくれた名刺と同じように、携帯の番号とアドレスを書き付けて差し出した。

「一人で食事しててもつまんないんだ、こういう店も来にくいし。付き合ってくれるならおごるよ」

差し出された名刺を、信じられないとでもいうふうに固まっている大輔くんの手に押し付けた。


「いいんですか?」

「いいから誘ってるの。きみがよければ、だけど」

「もちろんいいに決まってます!」


押し付けられた名刺を大事そうに伸ばして、彼はまた、見ていて嬉しくなる笑顔を浮かべた。
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