年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
そろそろ帰ろうか、と席を立って、しきりに恐縮する大輔くんを黙らせて会計をして店を出ると、目の前をふわりと白いものが横切った。


「あ、雪……」

後ろからついてきた大輔くんが呟いて、二人一緒に空を見上げる。

この季節にしては珍しく、大粒の綿みたいな雪だった。
吹雪くような降り方じゃなくて、ふわりふわりと舞い落ちるような雪。


「今年初めてですね」


目を細めて雪を見つめながら、大輔くんが手のひらを上に向けた。
一粒ふわりと舞い落ちて、大輔くんの手の上で溶ける。

その様子を少し微笑みを浮かべながら見つめている姿は、彼が持つ柔らかな雰囲気と相まって、天使に羽が落ちてくるみたいに見えた。


――この子、きれいな顔してる。


一番に抱く印象はどうしてもかわいいな、って思うけど、こうやって黙ると、すっと男の子っぽさが漂うようになる。
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