恋する白虎
「ねえ、聞いたー?A組の山田美雨さ、学校辞めるらしいよー」

杏樹は、ビクッとして、食堂の自販機の前で立ち止まった。

美雨が?!

なんで?

実は、あの日以来、美雨は学校を休んでいた。

「なんかね、パリに語学留学するんだって。モデル学校へ行くとか」

「あの子、めちゃくちゃ細くて背も高いもんねー!案外、いけるかもよ」

杏樹は、その場を離れた。

胸の中は、モヤモヤしたままだった。

このまま、私達は別れるのかな。

気まずいまま、彼女とは、もう会えないのかな。

杏樹は、苦しかった。
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